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パスタと塩のお話 茹で汁は岩塩?沸点を上げてコシが出る?

2024 3/25
調理学
イタリア料理 パスタ 塩 調理学
March 25, 2024
関口アキラ

パスタを茹でるときに塩を入れますが、調べてみるといろんな効果があるとかないとか。
今回はそんなパスタと塩の関係お話をしてみます。

目次

パスタを茹でるときは岩塩を使うと良いってホント?

パスタにこだわってる人は知っているかもしれませんが
パスタを茹でるときは岩塩を入れると美味しいという話があります。

粒が大きくてゆっくり溶けるから? 岩塩のミネラル分がパスタのコシを? など、さまざまな考察がされています。
実際、イタリアでは岩塩がよく使われるそうです。それは何故か。

その理由は、単に岩塩が安かったからです。

昔、イタリアでは精製塩より精製されていない粗塩(岩塩)の方が安価で出回っていました。パスタを茹でるだけならこれでもいいか、ということで使用されていたのが、巡り巡ってそんな話になったようです。

今でも未精製の塩の方が安いんでしょうか。どちらにしろ高い塩を使うことは無いようです。

「パスタ 岩塩」で検索すると、岩塩を使うことでパスタの味が〜みたいな日本の記事がいっぱいありますが、このワードをイタリア語にして、イタリアの記事を調べてみてください。高い塩なんて使うだけ無駄だから安い塩使えばええんや、という記事ばかりです。実際はそんなものです。イタリアのこういうところが好き。

Cookist
Perché utilizziamo il sale grosso per cuocere la pasta e non il sale fino? Usare il sale grosso nell’acqua della pasta è un’abitudine radicata, che deriva da una maggiore praticità di utilizzo e un minore dispendio economico

茹でるときに塩を入れる理由

こちらも分子調理学好き界隈で議論がされている話です。よく上がる理由について、個人的な見解を述べてみます。

塩を入れることでお湯の沸点が高くなり、美味しく茹で上がる

塩が入ることで水の沸点が上がるのを理科の授業で覚えていたんでしょうか。1%の塩を入れることで、沸点は100.17℃になります。こだわる人にとって、やはり0.17℃の違いは大きいですね、わかります。

ちなみに私は標高1000m地点にあるゲレンデのパスタ屋さんでバイトしたことがあります。計算上、沸点は97度ですが美味しいパスタを作ってました。

塩を入れることでコシが生まれる

論文がありまして、これを引用して塩分を入れるとコシが出るんだ、と語っている記事がちょいちょいありました。

ゆで水に添加する食塩の濃度がスパゲティの硬さに及ぼす影響https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej/66/3/66_120/_pdf/-char/ja

よく読めばわかるんですけど

“以上の結果より,ゆで水に通常使用する1%のNaCl 添加では,スパゲティの硬さには影響しないことがわかった “

って書いてあるんですよねえ。。いや確かに塩分濃度高いお湯で茹でたらグルテンの吸水率が減ったという記載もありました。でもそれ塩分濃度20%よ? 2%以下だと差がなかった書いてあるよ?

では何故塩を入れるのでしょうか。

結局は「おいしいから」です。

普通のお湯で茹でたパスタと塩分1%のお湯で茹でたパスタを食べ比べてください。塩分1%で茹でた素パスタは美味しい。理由はこれです。

ただ、時間が経つと差が出る、とかいろんな意見があるので、ちゃんと自分で実験はしようかなと思いました。

硬水で茹でると美味しい?

余談ですが、硬水で茹でると食感が違う派閥もあるそうで。敬愛する樋口さんが実験されていましたが、目にみえる結果はなかったそうです。

note(ノート)
パスタは水で変わる? 変わらない?|樋口直哉(TravelingFoodLab.) 料理本をパラパラとめくっていたところ、パスタを茹でる水に硬水を加えているレシピを読みました。理由としては「ゆですぎを防ぎ、プリッと仕上げるため」と書かれています...

ちゃんと効果はあるんだ、という実験結果もあります。

あわせて読みたい
イタリアで食べるパスタはなぜおいしいのか?-硬水や岩塩などの微量ミネラル成分が食感に及ぼす影響- | 文献... 文献「イタリアで食べるパスタはなぜおいしいのか?-硬水や岩塩などの微量ミネラル成分が食感に及ぼす影響-」の詳細情報です。J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンターは、国立...

でもこれ

“硬度1200の濃度では,超純水と比較して重量および容積が減少する傾向を示し”

って、ちょっと極端すぎません? ちなみにイタリアの水道水の硬度は200~300くらいのようです。元の文献読みたいな。

パスタを茹でるには塩何%?

1リットルのお湯に10gの塩、それで100gのパスタを茹でる、これが黄金比だそうです。イタリアの家庭料理サイトみんなこれ言ってました。

パスタを茹でるお湯の塩分濃度は1%、

ただ、プロの中には3%で茹でる人も少なくないです。ラベットラの落合シェフなんかは3%らしいですね。

要はソースと絡めてちょうどよくすれば良いのです。その場合、塩分3%は扱いが難しいので素人にはお勧めしません。

あと塩味のあるチーズのソースや、貝を使ったボンゴレを作るときは、ソースの塩分が濃くなりがちなので、茹で汁の塩分濃度を0.5%にするのがオススメです。

お湯1リットルに塩10gでは1%の濃度にならない話

「お湯1リットルに対し塩10g入れると塩分濃度1%のお湯になる」

化学や数学が得意な人はおや?と思うことでしょう。そう、正確にはお湯1リットルに対し塩10gを入れた場合、塩分濃度は0.9901%になります。計算式としては塩10g / お湯1000g+塩10gです。

正確に1%にするためには塩を10.1g入れる必要があるんです。

そんな話を調理学の先生に聞いたことがあります。答えは「料理はそれでいいんだよ」でした。納得。

お湯に塩を入れるタイミング論争

ちなみに調べながら知ったのですが、イタリアではパスタを茹でるお湯に塩を入れるタイミングで論争が巻き起こってるみたいです。

水から塩を入れて沸騰させる派、沸騰してから塩を入れる派の戦いです。

きのこたけのこ論争、ミルクティーは茶が先かミルクが先か…この手の話はどこでもあるんだなあと嬉しくなりました。ちなみに私は沸騰してから塩を入れる派です。シュワーってなるのが楽しい。やればわかる。

最初から塩を入れる派閥は「入れ忘れない」「しっかり溶ける」「沸騰が早くなる」など言い分があるようです。アルミ鍋を使って、粗い岩塩を使う場合、最初から入れると沈んだ岩塩とアルミが反応してシミができてしまうからダメ、という割と理にかなった意見もありました。

この手の論争に「どっちでもいい」は禁句です。楽しみましょう。

アルデンテとバリカタ

塩は関係ないですが、パスタの話題ということで。

本場イタリアのパスタといえばアルデンテ。アルデンテ以外はパスタじゃない!という過激派がイタリア人に多いとかそうでないとか。

そんなの日本人の知ったことじゃない!と言いつつも、イタリア人がアルデンテというならそれに乗っ取ろう、という日本の他の食文化を尊重する姿勢は好きです。

とはいえ、実際はアルデンテなんかにこだわらないんだ、イタリア人は気にしない、などの噂もちょいちょい耳にします。

実際どうなんでしょうね。

個人的には福岡のとんこつラーメンで似たようなことが起こってるような気がしてます。

早く替え玉食べたい!
↓
茹で時間短くていいよ!
↓
通はバリカタだよな!
↓
バリカタが一番美味い!

みたいな。最初は提供の早さだったのが、通はコレになり、後付けで結局味が良い、となりバリカタ至上主義が生まれるわけです。でもこういう無駄な食のこだわりとか決めつけって面白いですよね。

イタリアのアルデンテ論争も同じかなあと思いつつ、パスタと塩の話は終わりにします。

ちなみに私はやわめが好きです。バリカタって美味いか?(火種

調理学
イタリア料理 パスタ 塩 調理学

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この記事を書いた人

関口アキラのアバター 関口アキラ 管理人

調理師、栄養士、カメラマン。フードスタイリストやメニュー開発、飲食店の立ち上げなどを行う。
食の楽しさを伝えるメディア「趣食研究所」にて、料理や栄養についての記事を掲載。噛み砕いて説明するのは好き。エセ化学は大嫌い。
http://se-akira.com/

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