はじめに
栃木県足利市にある『ココ・ファーム・ワイナリー』を訪れてきました。

山の斜面に広がるブドウ畑、美味しいワイン、自然豊かな環境…どこを切り取っても絵になる場所でした。
ココ・ファーム・ワイナリーとは?

ココ・ファーム・ワイナリーは、栃木県足利市の山の斜面に広がる美しいブドウ畑を持つワイナリーです。
一般的なワイナリーと異なるのは、1958年に知的障がいのある中学生のために、担任教師の川田昇さんによって始まったという背景があること。
『こころみ学園』という支援施設の一環として始まったこのワイナリーは、「働く喜びと生きる楽しさ」を実感できる場として、現在も運営されています。
最初は野菜作ったけど、生徒が雑草と野菜の区別がつかないから木にしたとか
当時甘いものが貴重だからフルーツ栽培を考えたとか
急斜面で水捌けよく日当たりも最高だから葡萄にしたとか
川田さんがお酒好きだからワイン製造にしたとか…
始まりの歴史はなかなか面白かったので詳しくはホームページ、もしくはワイナリー見学の際に聞くことができます。
https://cocowine.com/
🍇 ワイン造りのこだわり


- 人工酵母ではなく、野生酵母(天然の自生酵母)を中心に醗酵
- 開墾以来 除草剤が撒かれたことがなく、ワインに添加する酸化防止剤の使用も最小限
- 自家畑で育てたブドウ品種(マスカット・ベイリーA、リースリング・リオン、ノートン、プティ・マンサン)の他、全国の契約栽培農家さんたちのブドウ品種を使用
- スパークリングワインはシャンパンと同じ「瓶内二次発酵」で手間をかけ製造
いわゆる「ナチュラルワイン」的な作り方をするワイナリーです。
ワイン自体の評価は高く、国際線のファーストクラスやサミットの晩餐会でも提供されたことがあるなど、その実力は本物です。
🍃 山の斜面に広がるブドウ畑


平均斜度38度、最大42度という見上げるほどの斜面一面にブドウの棚が並ぶ風景は圧巻。風通しと水捌け、日当たりは抜群ですが、機械が入ることが難しいため手作業が多くなります。
しかし、こころみ学園の作業者にとってはこれも「大切な日々の仕事」。
ひと房ひと房に向き合うような手作業が、このワイナリーならではのやさしさと誠実さを育んでいます。
🛍 ワインショップ・カフェ

直営のワインショップでは、自家製ワイン・ジュース、お菓子やグッズなど販売されていました。使い終わったワイン樽を、こころみ学園の生徒さんが加工した小物なんかも売っています。
併設されたカフェでは地元食材を使った料理と自家製ワインのペアリングが楽しめます。天気のいい日は、テラス席でワインと食事を楽しめるとか。車で行ったのが口惜しい…次こそはランチとワインを…
🚶 ぶどう畑散策・ワイン山へ

あの急斜面のぶどう畑ですが、なんと登ることができます。畑管理用に舗装された道があるので、そこから歩いて頂上まで徒歩15分ほどで到達します。一般の方の車での侵入は禁止です。
ちょっとしたハイキング感覚で… なんて思っているとあまりの急斜面に絶望します。

ただし上からの眺めは絶景。体力に自信のある方はぜひ。
登った様子は動画で詳しく見ることができます。
🍷 購入した商品の紹介
農民ドライ(白ワイン)

華やかな香りと豊かなミネラルを感じる辛口の白ワイン。
https://cocowineshop.com/SHOP/ABB-3571.html
バランスもよく、爽やかな酸と凛とした味わいが特徴です。
葡萄品種はミュラー・トゥルガウ、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、バッカス、ケルナーなど。
「日本の小粋な白ワイン」です。
爽やかで軽くてドライ。クセのない生ハムやチーズ、天ぷらに合うなーと思いました。※ワインの知識は浅いので素人の感想です。

https://cocowineshop.com/SHOP/ABB-3571.html
ベルジュ風*葡萄酢(ジュース)

「ベルジュ」とは、未熟なブドウを搾ったジュースのこと。とても酸味が強く、かつてはレモン汁や酢のように調味料として使われていたそうです。
この「ベルジュ風*葡萄酢」は、自家畑で間引いたブドウを使って作られたビネガードリンク。3倍希釈タイプなので、1本でたっぷり楽しめます。

店頭で試飲できたのでいただいてみたところ、これが大当たり。
ビネガードリンクとしては一見シンプルなのですが、香りと味わいがとても上品で、ひと口で「他とは違う」と感じました。ブドウ本来の風味がしっかりと感じられつつ、飲み口はすっきり。
クエン酸由来のフルーツの酸っぱさというよりは、酢酸らしい“お酢の酸味”が前に出ているので、好みは分かれるかもしれません。ジュースと思って飲むと酸っぱく、お酢と思って飲むと少し甘く感じる…そんなビネガードリンクです。
個人的には、白ワインのような感覚で楽しめるノンアルコールドリンクとしてもおすすめ。料理と合わせる一杯としても、かなり優秀だと感じました。

https://cocowineshop.com/SHOP/BZZ-2049.html
ぶどうジュース
以前勤めていたお高めの飲食店で使っていたジュース。濃厚で美味しかったです。
自家畑を見学した後だったので、正直「アメリカ産で濃縮還元かあ」とは思いましたが、ココ・ファーム・ワイナリーが監修しているだけあって、味に妥協はないようです。

https://cocowineshop.com/SHOP/BZZ-207.html
個人的にココ・ファーム・ワイナリーって魅力的なジュースも多いんですよね。
ちょこちょこ試してみて、追記したいと思います。

🚗 アクセス・営業時間など
ショップ
10:00〜18:00
カフェ
平日11:00〜16:00(15:30L.O)
土日祝日11:00〜17:00(16:00L.O)
ワイナリー見学
1日3回 10:30、13:00、15:00
お一人様 ¥500
テイスティング
10:00〜17:00
5種¥1,500 2種¥1,000
グラス付き
ワイナリーのお休み
年末年始(12/31~1/2)
1月第3月曜日〜金曜日まで5日間
11月収穫祭前日※
🚗 交通手段について
個人的には車で行くのが楽でいいです…が、もちろん飲めません。
ホテルもすぐ近くにはないですね。足利駅ならビジホなど多くあります。
足利駅周辺にホテルとって、タクシーで向かうのが最大限楽しめる方法だと思います。
公式サイトによると足利駅からタクシーで約20分(2,500円程度)だそうです。
また、収穫祭などのイベントでは駐車場が使えないそうです。バスやタクシーを使いましょう。
🎡 個人的おすすめの周辺の観光地
- 足利学校
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日本最古の学校だそうです。入場料が一般480円。話の種に行くのはいいかも? 毎月 第3水曜日がお休みのようです。
私が行った時はピンポイントで休みでした。くやちい。
すぐ近くに鑁阿寺(ばんなじ)というお寺があり、樹齢推定550年のバカでかいイチョウの木を見ることができます。あとお堀の水が超綺麗。
それと足利学校周辺はお土産屋さんがたくさんあり、街並みも綺麗です。ぶらぶら歩くのにオススメ。
- 猫又屋(バー)
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鑁阿寺(ばんなじ)の隣にあるバー。かなり前に一度行っただけですが、本格的で雰囲気いいし、お酒やおつまみも美味しいしで良いお店でした。昼間ワイナリー行って、夜はこちらに。
https://hirohitoarai.jp/about - 足利鹿島園温泉
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だいぶ偏った選出ですが行って面白かったので紹介。ふるーい温泉施設です。汚くはないがボロボロという印象。風呂場とか本当に廃墟です、すごかった。物好きな方にぜひ。
http://www.kashimaen.com/ - 大麦工房ロア 工場直売店
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気になってたけど行けなかった… 一応紹介。https://oomugi.co.jp/
- あしかがフラワーパーク
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有名なのでわざわざ紹介するまでもないですが一応。https://www.ashikaga.co.jp/
✨ まとめ・感想

実際にココ・ファーム・ワイナリーを訪れて感じたのは、「応援したくなるワイナリー」だということです。
スパークリングワインの製造では、瓶を毎日45度ずつ回転させて澱を沈める作業があります。ワイナリー見学の時にスタッフが話してくれたのは、自閉症の作業者がこの作業にとても適しているというエピソード。毎日同じ作業を正確に続けることが得意で、少しでも角度がずれているとすぐに気づくそうです。
まさに“適材適所”という言葉がぴったりで、その働きがワインの品質にもしっかりとつながっていることに深く感動しました。
また、畑の手入れやワイン造りにおいても、この土地と真摯に向き合っている姿勢が伝わってきました。
土を大切にし、研究と工夫を積み重ねながら、丁寧にワインを育てている。そんな姿勢が、味にも風景にも表れているように思います。