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牛ほほ肉を85℃で12時間|低温調理器で仕上げる出汁仕立て

2026 1/25
January 25, 2026
関口アキラ

牛ほほ肉は、牛一頭からわずかにしか取れない希少部位でありながら、扱いづらさから家庭では敬遠されがちな食材です。筋が多く、そのまま焼くと硬くなってしまうため、調理法を間違えると本来の美味しさを引き出せません。

しかし、温度と時間を正しくコントロールすれば、牛ほほ肉は驚くほど柔らかく、とろみのある濃厚な味わいに変わります。

本記事では、低温調理器を使い85℃で長時間加熱する低温調理によって、牛ほほ肉のコラーゲンを活かしながら仕上げる方法を、理屈とともに解説します。

目次

牛ほほ肉という部位について

牛ほほ肉は、牛一頭から左右で2つしか取れない希少な部位です。
よく動かす部位のため筋肉量が多く、そのまま焼くと非常に硬いという特徴があります。

クリスマスシーズンなどには、レストランやホテルで赤ワイン煮込み用として需要が集中し、品薄になることも珍しくありません。

牛は反芻動物で、日常的に咀嚼を繰り返すため、ほほ周りの筋肉が発達しています。その結果、筋やコラーゲンが多く、長時間の加熱によって真価を発揮する部位と言えます。


レシピ

牛ほほ肉といえば赤ワイン煮込みが定番ですが、今回は出汁を使った低温調理で仕上げます。
Anovaを使い、85℃で長時間加熱することで、筋を柔らかくしつつ、コラーゲンのとろみを活かすのが狙いです。

材料(1人分〜作りやすい量)

  • 牛ほほ肉:1個(約400g)
  • 合わせ出汁:150ml
  • 薄口醤油:15ml
  • みりん:15ml

※赤ワイン煮込みにする場合は、出汁の一部を赤ワインに置き換えても問題ありません。


下処理

牛ほほ肉は、一度沸騰した湯に短時間くぐらせます。
この工程は必須ではありませんが、行うことでアクが減り、煮汁が澄みやすくなります。

その後、密封できる耐熱袋に牛ほほ肉と調味料をすべて入れ、できるだけ空気を抜いて封をします。


低温調理の方法

低温調理器を85℃に設定し、12〜18時間加熱します。
85℃という高温かつ長時間なので、お湯が蒸発していきます。必ずラップなどで水面を覆ってください。

目安は12時間ですが、肉の大きさや個体差によってはまだ硬さが残ることがあります。
その場合は時間を延ばし、指で押して弾力を確認しながら調整してください。


仕上がりと食べ方

食べやすい大きさにカットし、煮汁を鍋に入れ火にかけ、煮詰めていきます。
ゼラチンの分解を抑えたいので、なるべく短時間で。

味付けはシンプルなので、付け合わせに大根や人参、じゃがいもなどの根菜を添えると、全体のバランスが取りやすくなります。

温度と時間の考え方

コラーゲンは、約65℃付近で一度硬くなり、75〜85℃で徐々に軟化していきます。

中の水分を残しつつコラーゲンを分解するため、低温調理では65〜70℃の長時間加熱というのもあります。

しかしこのレシピは85℃に設定しています。
狙いとしてはホロホロと崩れるような十分な煮込み感を出しつつ、コラーゲンをしっかり軟化させ、通常の煮込みでは加熱しすぎで分解してしまうゼラチン感を残す、というものです。

完成した煮込みを食べると、ゼラチンで唇がペトペトしてしまうほどです。


圧力鍋との違い

圧力鍋を使えば、数時間で牛ほほ肉を柔らかくすることは可能です。
ただし高温・高圧のため、コラーゲンはゼラチンを経てさらに分解されてしまいます。

  • 栄養的には吸収しやすい
  • 反面、コラーゲンのとろみやコクが感じられない

低温で長時間加熱する方法は、とろみと濃厚さを残せる点が大きな違いです。


まとめ

牛ほほ肉は扱いづらい反面、調理方法さえ合えば非常に美味しくなる部位です。
低温調理器を使った85℃・長時間加熱は、コラーゲンの旨みと食感を最大限に引き出す方法のひとつです。

赤ワイン煮込みとは違う、出汁仕立ての低温調理もぜひ試してみてください。

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この記事を書いた人

関口アキラのアバター 関口アキラ 管理人

調理師、栄養士、フードスタイリスト、カメラマン。「食」にまつわる幅広い分野で活動中。飲食店の立ち上げやメニュー開発、料理撮影、メニューデザインなど多様な現場に携わる。
食の楽しさを伝えるメディア「趣食研究所」を運営し、記事の執筆・撮影・編集を一貫して手がける。科学的根拠に基づいた発信を大切にしています。
http://se-akira.com/

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