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青磁とは

青磁(せいじ)とは、鉄分を含む陶石を原料にした磁器に、還元炎焼成によって生まれる淡い青緑色の釉薬をかけた器のことです。
その独特の翡翠色は「秘色(ひそく)」とも呼ばれ、古代中国・六朝時代に始まり、宋代に龍泉窯で大成しました。日本にも中世以降に伝わり、茶道の茶碗や香炉などで高く評価されました。
青磁の魅力

青磁の魅力は、透明感のある青緑色と静謐な存在感にあります。
- 翡翠のように澄んだ釉色
- 光や角度によって表情を変える深み
- 静かで落ち着いた印象、気品ある佇まい
- 和食・洋食どちらにも合う上品さ
特に宋代の「砧青磁(きぬたせいじ)」は「青は藍より出でて藍より青し」と賞賛され、日本の茶人たちに愛されました。
青磁の弱点と扱い方

青磁は磁器なので比較的丈夫ですが、特有の注意点もあります。
- 釉薬の発色が窯の環境に左右されやすく、ムラや不均一が出やすい
- 厚めの釉層は貫入(ひび模様)が入りやすい
- 高価な作品は美術品扱いで、日常使いには適さない場合も
扱い方のポイント
- 普段使いできる現代の青磁は、磁器として食洗機や電子レンジに対応するものも多い
- 骨董品や高級作品は温度差や衝撃に弱いため注意が必要
- 貫入はシミが入りやすいため、水通しや目止めをしておくと安心
現代の青磁

現代では、有田や美濃をはじめ各地の窯元や作家が青磁を制作しています。伝統的な翡翠色を追求する作品もあれば、透明感のある薄青やグリーンがかったモダンな青磁も人気です。
食器や花器、インテリア作品としても使われ、古典的な美と現代のライフスタイルをつなぐ存在となっています。
まとめ
青磁は、釉薬が生み出す翡翠色の美しさで人々を魅了してきた磁器です。静かで上品な印象は料理や空間を引き立て、日常使いから美術品まで幅広く愛されています。
透明感と深みをあわせ持つ青磁の器は、まさに「土と炎が生み出す宝石」といえるでしょう。


