トルコ釉とは

トルコ釉(ターコイズ釉)とは、酸化銅を含む釉薬を用いることで生まれる鮮やかな青緑色の釉調を指します。
「トルコ石(ターコイズ)」に似た色合いを持つことからこの名で呼ばれ、日本の陶芸では大正・昭和期以降に広く用いられるようになりました。
起源は古代ペルシャやイスラム陶器の青緑釉にあり、シルクロードを通じて東アジアにも伝播。中国や朝鮮、日本でも独自に発展しました。
トルコ釉の魅力

トルコ釉の魅力は、目を奪うような鮮やかな青緑色です。
- 光を受けると透明感のある澄んだ発色
- 食卓に映えるモダンで爽やかな雰囲気
- 白磁や鉄釉との対比で美しさが際立つ
- 和洋を問わずインテリアや料理に調和する
その鮮やかさから、涼感を演出する夏の器や、アクセントとなる花器として人気があります。
トルコ釉の弱点と扱い方

美しい一方で、トルコ釉の器には注意点もあります。
- 発色が釉薬と焼成条件に左右されやすい
- 焼成のムラによって濃淡や流れが出やすい(これを味わいとする場合も)
- 吸水性のある陶器素地に施された場合はシミやカビがつきやすい
扱い方のポイント
- 使用前に目止めをすると汚れ防止に有効(陶器素地の場合)
- 長時間の浸け置きは避け、使用後はしっかり乾燥
- 強い直射日光に当て続けると色が退色する場合がある
現代のトルコ釉

現代の陶芸作家は、伝統的なターコイズブルーを活かしつつ、より深みのある青やグラデーションを表現するなど新しい試みに挑戦しています。
カフェ食器やレストランの器としても人気で、料理をスタイリッシュに引き立てる存在になっています。
また、和食器だけでなく洋風のインテリアやアート作品にも幅広く応用されています。
まとめ
トルコ釉の器は、酸化銅の作用によって生まれる鮮やかな青緑色が魅力です。
イスラム陶器やシルクロードの歴史を背景に、日本の陶芸にも取り入れられ、今では食卓からインテリアまで幅広く愛されています。
爽やかで透明感のある色合いは、日常にひとつ加えるだけで食卓や空間を明るく彩ってくれるでしょう。


