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コレステロール制限はもう古い?卵は1日1個までは時代遅れ

2025 6/03
栄養学 油脂について
コレステロール 栄養学 油
June 3, 2025
関口アキラ

卵はコレステロールを多く含む食品として有名で、かつては「卵は1日1個まで」と言われていました。コレステロールは健康に悪いというイメージが強かったからです。

しかし、現在では「食事からのコレステロール摂取は、それほど問題ではない」とする考え方が主流になってきています。

この記事では、最新の研究に基づいて、食事と血中コレステロールの関係をわかりやすく解説します。


目次

コレステロールは食べても問題ないって本当?

まず、コレステロールは私たちの身体にとって必要不可欠な物質です。細胞膜の材料になったり、ホルモン・ビタミンD・胆汁などの原料として使われます。

そしてコレステロールは肝臓で合成されています。つまり、食事で摂らなくても、体内で自前に作ることができます。

身体に必要なコレステロール量のうち
・体内で合成される量:70〜80%
・食事から摂取される量:20〜30%
ということがわかっています。

このバランスの中で、食事でたくさんコレステロールを摂ったとしても、体内の合成量を減らして調整してくれる仕組みがあることがわかっています。

コレステロールは動物性食品にしか含まれていませんが、完全菜食(ヴィーガン)の人でも健康を保てるのは、体内合成で補われているからです。ただし、成長期の子どもは不足に注意が必要です(参考:ビーガン食が子供の栄養摂取や代謝に及ぼす影響)。

健康な人であれば、食事から摂るコレステロールは大きな問題にはならない。
身体がきちんと調整してくれます。

見直されているコレステロール摂取のガイドライン

かつては「1日300mgまで」とされていたコレステロールの摂取量。しかし今では、その制限自体が撤廃されつつあります。

  • アメリカ:
     2013年、米国心臓病学会(ACC)と心臓協会(AHA)が、コレステロール摂取量の制限を撤廃。
     2015年、米国保健福祉省と農務省(HHS/USDA)も、ガイドラインから摂取上限を削除しました。
  • 日本:
     2015年、「日本人の食事摂取基準」からコレステロールの摂取目標量が削除されました。

これらの変更の理由は共通しており、
「食事からのコレステロール摂取が、血中コレステロール値を直接的に上げるという明確な証拠がない」というものです。

日本では2015年以降、コレステロールの摂取基準はなくなっている

ただし病気の人は話が別

ここまでの話は、あくまで健康な人を前提としています。すでにコレステロール値に異常がある場合は注意が必要です。

代表的な疾患として「脂質異常症(高脂血症)」があります。これは血中の脂質、特にコレステロールや中性脂肪の調整機能に異常がある状態です。ざっくり言えば、コレステロールの“バランス調整がうまくできない”状態とも言えるでしょう。

このような状態でコレステロールを多く摂取すると、体内の調整機能が働かず、血中のコレステロール値がさらに上昇してしまう可能性があります。ただし、これは個人差が大きく、一概には言えません。

実際、『日本人の食事摂取基準(2025年版)』でも、「脂質異常症の重病化予防の観点からは、200mg/日未満に留めることが望ましい」とされています。

いずれにしても、持病のある方や数値が気になる方は、必ず医師の判断に従うようにしてください。


では、何が血中コレステロールに影響するのか?

実際に血中コレステロール値に強く影響するのは、「食生活の乱れ」「運動不足」「肥満」「ストレス」「遺伝」など、より複合的な要因です。中でも特に影響が大きいのが、カロリーや脂肪分の摂りすぎ。高脂肪な食事が続けば、LDL(いわゆる“悪玉コレステロール”)が増えやすくなります。

とはいえ、痩せていても遺伝的な体質により数値が高くなるケースもあります。必ずしも“見た目”や“食べたもの”だけが原因とは限らないのが難しいところです。太っていても血液サラサラな人もいますしね。

ただ、多くの人にとっては「油っぽい食事を摂りすぎている」というのが血中コレステロール上昇の一因であることは間違いないでしょう。心当たりのある方は、食生活の見直しをおすすめします。

このあたりの内容も、別途記事として詳しくまとめる予定です。

原因は複合的だが肥満の人は要注意


最後に:コレステロール食べ放題というわけではない

現在、コレステロール摂取に関する上限基準は多くの国で撤廃されていますが、これはあくまで「通常の食生活」を送っている人に対するものであることを忘れてはいけません。
たとえば、毎日卵を10個食べるような極端な食生活を続ければ、何らかの不調を招く可能性は否定できません。

大切なのは、過度に恐れすぎないこと。そして、かといって無制限に摂ってもいいというわけではないこと。
「過剰な心配は不要」くらいのスタンスでとどめておくのがちょうど良いでしょう。

また、すでに脂質異常症や生活習慣病などの持病がある方は、コレステロールの摂取について必ず主治医に相談してください。食事や運動に関するアドバイスは、検査結果に基づいた医療的な判断が重要です。

正しい情報と信頼できる医療のサポートをもとに、無理のない形で生活習慣を整えていくのがベストです。

コレステロールは、敵視するのではなく、正しく理解して付き合うべき存在なのです。

過度に恐れすぎない
かといって無制限に摂ってもいいというわけではない


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この記事を書いた人

関口アキラのアバター 関口アキラ 管理人

調理師、栄養士、フードスタイリスト、カメラマン。「食」にまつわる幅広い分野で活動中。飲食店の立ち上げやメニュー開発、料理撮影、メニューデザインなど多様な現場に携わる。
食の楽しさを伝えるメディア「趣食研究所」を運営し、記事の執筆・撮影・編集を一貫して手がける。科学的根拠に基づいた発信を大切にしています。
http://se-akira.com/

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