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「ラクトアイスは身体に悪い」という言いがかりを栄養士が切り捨てる

2026 1/01
January 1, 2026
関口アキラ

インターネット上では「ラクトアイスは体に悪い」
といった声があちこちで聞かれます。

ただ、常識的に考えてみてください。
普通に食べただけで健康に害が出て問題になるような食品を、
日本の食品メーカーが販売するでしょうか。

そして、体に悪いと言われている理由があまりに稚拙すぎます。
知識のない人たちのインプレ稼ぎの言いがかりに踊らされてはいけません。

ここではネットでよく見かける懸念点について、栄養士の視点からバッサリ解説します。

目次

ラクトアイスにまつわる疑惑と栄養士の解説

疑惑① ラクトアイスは“本当のアイス”ではないから体に悪い

これはある意味で「本当」です。

アイスクリームは牛乳から作る生クリームに卵黄や砂糖などを加えて作られます。
一方、ラクトアイスは生クリームの代わりに植物性油脂(サラダ油のようなもの)
を使うことが多いのが特徴です。

植物油に水素を添加して硬化させる加工を行うと、生クリームに似た性状のホイップクリームができます。
(水素添加して効果させた実験動画:https://youtu.be/oqdDWA9-DSY?si=G0w6uJc9Id7IYeK8)

そのホイップクリームは無味無臭なので、香料や甘味で風味付けして冷やし固めればラクトアイスの完成です。
(※他にも乳化・ホモジナイズなど工程はありますが割愛します)

こう聞くと人工的でイメージが良くないかもしれません。
しかし、生クリームのような高価な材料を使わず安価な植物油で代用することで、
アイスクリームに近いデザートを手頃な価格で提供できるわけです。

アイスクリームが「蟹」なら、ラクトアイスは「カニカマ」、アイスミルクは「蟹入りかまぼこ」
本物の材料ではありませんが、気軽にそれっぽい味わいを楽しめます


疑惑② ラクトアイスにはトランス脂肪酸が含まれており、心疾患のリスクを高める

前述の「サラダ油を硬化させる加工」過程でトランス脂肪酸が発生する場合があります。

確かに、トランス脂肪酸を過剰に摂取すると肥満や心疾患のリスクを高めることが知られています。
しかし実際、ラクトアイスにはどの程度のトランス脂肪酸が含まれているのでしょうか。

農林水産省が平成26〜27年度に行った調査では、
市販のラクトアイス5製品を対象にトランス脂肪酸含有量を分析しました。
その結果、中央値は0.00g/100gというデータが得られています。
ちなみにアイスミルクは中央値 0.18g/100gでした。
(参考:農林水産省 平成26・27年度調査結果)

つまり現在の日本製ラクトアイスには、トランス脂肪酸はほとんど含まれていないのです。
近年では製造技術の進歩や企業努力により、トランス脂肪酸の含有量は健康に影響がないレベルまで低減されています。

ラクトアイスを批判している人たちは、このデータを確認したことがあるのでしょうか?

トランス脂肪酸に問題はあるが、ラクトアイスには入っていない

疑惑③ ラクトアイスには安定剤や乳化剤などの添加物が多く入っている

「植物油を使っているラクトアイスは添加物まみれ」というイメージを持つ人もいるようです。
しかし実態は製品によります。例えば、ラクトアイスである明治エッセルスーパーカップ(バニラ)の原材料表示を見てみましょう。

乳製品(国内製造又は外国製造)、植物油脂、砂糖、水あめ、卵黄、食塩/香料、アナトー色素、(一部に卵・乳成分を含む)

https://www.meiji.co.jp/products/icecream/4902705125308.html

一方、種類別「アイスクリーム」の森永「PARM(パルム)チョコレート」では

乳製品(国内製造、ニュージーランド製造、その他)、準チョコレート、砂糖、水あめ、加糖卵黄(卵黄、砂糖)/乳化剤、香料、安定剤(増粘多糖類)、(一部に卵・乳成分・大豆を含む)

https://www.morinagamilk.co.jp/products/icecream/parm/182.html

見てわかる通り、ラクトアイスのスーパーカップ(バニラ味)には乳化剤・安定剤が入っておらず、
アイスクリームであるパルムには乳化剤と安定剤が使われています。

バニラのようなシンプルな味では添加物を使わない商品も多いですが、
チョコレートや抹茶のように他の材料を混ぜ込むフレーバーでは
分離させないためなどに乳化剤や安定剤が必要になる場合があります。

ラクトアイスかアイスクリームかといった分類に関係なく、添加物の使用有無は商品ごとに異なるのです。

ラクトアイスかアイスクリームかに関係なく、添加物の有無は商品次第


そもそも、仮に添加物が入っている商品であっても、ことさら大量の添加物を入れているわけではありません。
日本で使用が認可されている食品添加物は、厚生労働省による厳格な審査と
科学的な安全性評価を経て許可されたものだけです。

必要最小限かつ安全と認められた範囲で使われているので、
ラクトアイスだけが特別「添加物まみれ」という心配は不要でしょう。

疑惑④ ラクトアイスには栄養素が含まれていない

牛乳由来のアイスクリームに比べて、植物油由来のラクトアイスは「栄養がない」ように思われるかもしれません。
ここで、アイスクリーム類の分類基準を確認してみましょう。

  • アイスクリーム:乳固形分15.0%以上(うち乳脂肪分8.0%以上)
  • アイスミルク:乳固形分10.0%以上(うち乳脂肪分3.0%以上)
  • ラクトアイス:乳固形分3.0%以上(乳脂肪分の規定なし)
  • 氷菓(アイスキャンデー等):上記基準に満たないもの(乳成分ほぼ無し)

つまりラクトアイスは「乳固形分3%以上」の乳成分を含むものと定義されています。
言い換えれば、一応牛乳由来の成分は入っているということです。

実際、市販のラクトアイスの多くは脱脂粉乳など乳脂肪分のない乳製品を原料に配合しています。
決して「植物油だけで作ったアイス」というわけではありませんから、
多少なりとも栄養素(乳由来のたんぱく質やミネラルなど)も含まれています。

…とは言え、アイスクリーム類を栄養補給の目的で食べる人はまずいないでしょう。
最初から栄養価を期待すること自体が的外れな疑惑と言えます。

ラクトアイスには脱脂乳など乳成分が入っている。
そもそもアイスに栄養素を期待するほうがおかしい。

疑惑⑤ ラクトアイスは生活習慣病のリスク要因となる可能性がある

「ラクトアイスばかり食べていると太る」「健康に悪い」という指摘です。

しかし安価なスーパーカップだろうと、高級なハーゲンダッツだろうと、
食べ過ぎれば同じように健康リスクが高まります。
どちらか一方だけ極端にカロリーが低いわけでもありません。

参考までに、ラクトアイスのカロリーは100gあたり約217kcalと、ご飯一杯(約234kcal)に匹敵します。
高級アイスクリームは100gあたり約250kcalです。そこまで変わりません。

要するに、どの種類のアイスでも食べ過ぎればカロリーオーバーによる肥満や生活習慣病リスクに繋がるだけの話です。
適量を楽しむ限り、ラクトアイスだから特別に不健康ということはありません。

ラクトアイスのカロリーは100gあたり約217kcal
高級アイスクリームは100gあたり約250kcal
どっちも食べ過ぎれば太る

疑惑⑥ ラクトアイスは虫歯のリスクが指摘されている

ラクトアイスを食べると虫歯になる、という主張も目にしました。

しかし、それを言い出したら砂糖を使ったお菓子全般が食べられなくなってしまいます。
ラクトアイスに限った話ではありません。

甘いものを食べたら歯を磨きましょう

疑惑⑦ ラクトアイスは油や砂糖を多く含んでいる

言うまでもなく、お菓子なのですから油や砂糖が多く含まれているのは当たり前です。

ラクトアイスに限らず、アイスクリーム類は美味しさのために
高脂肪・高糖質で作られています。

これを「危険だ」と指摘するのはナンセンス

疑惑⑧ ラクトアイスを食べると冷え性になる

ラクトアイスを食べすぎると、冷え性が悪化する恐れがあります。
ラクトアイスは冷たい食べ物なので、過剰摂取すると体温が下がってしまうでしょう。

思わず笑ってしまったので紹介しました。
冷たいアイスを大量に食べれば体が冷えるのは当然ですね…。

お湯でも飲めばいんじゃない?

おまけ:アイスは冷たいから食べたカロリーより低くなる!?

「冷たいアイスは体を冷やすエネルギーでカロリー消費するので太らない」といった珍説もあるようです。
それなら氷でも舐めていればダイエットできますね。北国には太った人など一人もいないはずです。

もちろん現実はそんなに甘くありません。

危険性を訴える人は本当に信頼できる?

誰でも情報発信できるこの時代。
重要なのは「どのサイトに書いてあったか」よりも「誰が書いた情報か」を見極めることです。

ネットでラクトアイスの危険性を煽っている人は、例えば次のようなケースかもしれません。

  • 栄養に関する資格を持たないフィットネスインストラクター
  • 健康ブームに影響されて発信を始めた一般の主婦
  • 著者プロフィールには「管理栄養士」とあるが詳細な経歴が不明な人物

このように発信者の専門性が怪しい場合、その情報は鵜吞みにせず疑ってかかるのが賢明です。
本当に信頼できる情報源か、一度立ち止まって考えてみてください。

まとめ

繰り返しになりますが、アイスクリーム類を健康のために食べる人は普通いません。

アイスとはあくまでちょっとした楽しみや暑い日を乗り切る清涼剤、日々の疲れを癒やすご褒美といった嗜好品です。
それを「ラクトアイスは危険だから食べるな」などと言われるのは、大きなお世話というものです。

もしラクトアイスに含まれる添加物が本当に危険なレベルだとしたら、毎日のように大量のアイスを食べているであろうアメリカ人などは、とうに深刻な健康被害が出ているはずです。まぁ実際のところ、彼らが抱えている健康問題は糖分とカロリーの過剰摂取によるものですが。

結局のところ、水でさえ酸素でさえ、大量に摂れば毒になり得ます。
ラクトアイスに限らず、アイスクリームなど甘い嗜好品はほどほどに楽しむのが一番です。
適量を守ってさえいれば、安価なラクトアイスを含めアイスを食べる楽しみを過度に心配する必要はありませんよ。

栄養学 油脂について 添加物について
アイス お菓子 健康 栄養学 砂糖

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この記事を書いた人

関口アキラのアバター 関口アキラ 管理人

調理師、栄養士、フードスタイリスト、カメラマン。「食」にまつわる幅広い分野で活動中。飲食店の立ち上げやメニュー開発、料理撮影、メニューデザインなど多様な現場に携わる。
食の楽しさを伝えるメディア「趣食研究所」を運営し、記事の執筆・撮影・編集を一貫して手がける。科学的根拠に基づいた発信を大切にしています。
http://se-akira.com/

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