つるつるとした食感で、スープやサラダ、鍋料理などに使われる春雨。
「カロリーが低そうだから」と選んでいる人も多いのではないでしょうか。見た目がしらたきに似ているので、カロリーがほとんどない食品だと思っているかもしれません。
確かに、ゆでた春雨は、同じ重さのご飯やパスタと比べると低カロリーです。その大きな理由は、水分を多く含んでいることにあります。
この仕組みは、おかゆを想像するとわかりやすくなります。春雨の原料や栄養成分を確認しながら、しらたきとの違いも見ていきましょう。
春雨は何からできているの?

春雨の主な原料は、緑豆やじゃがいも、さつまいもなどから取り出したでんぷんです。
原料の違いによって、食品成分表では区別されます。
緑豆でんぷんを使ったものが「緑豆春雨」
じゃがいも・さつまいものでんぷんを使ったものが「普通はるさめ」
と呼ばれます。
でんぷんは、ご飯やパン、麺類にも含まれる炭水化物の一種です。
消化されるとブドウ糖になり、体のエネルギー源として使われます。
春雨は透明で軽やかな見た目をしていますが、原料から見ると、米やパンと同様にでんぷんを食べる食品なのです。
ゆでた春雨のカロリーは、ご飯やパスタの約半分

まずは、食べる状態にそろえて比べてみましょう。
以下は、調味料を加えていない食品100g当たりのエネルギーと水分量です。
| 食品 | エネルギー | 水分 |
|---|---|---|
| ご飯(精白米) | 156 kcal | 60.0 g |
| パスタ(ゆで) | 150 kcal | 60.0 g |
| 緑豆春雨(ゆで) | 78 kcal | 79.3 g |
| 普通春雨(ゆで) | 76 kcal | 80.0 g |
※文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より。数値は可食部100g当たり。水分量は調理条件によって変わります。
ゆでた春雨は100g当たり76〜78 kcalで、ご飯やパスタのおよそ半分です。
これをみると「春雨は低カロリーだからダイエットにいいんだ!」と思いますよね?
実際のところを解説しましょう。
「春雨は低カロリー」のトリック

水が増えると、100g当たりのカロリーは下がる
ここで、水分量に注目してください。
ご飯とパスタは約6割が水分なのに対し、春雨は約8割が水分。
同じ100gでも、含まれている水の量が違います。
水を多く含むぶん、同じ100gを取り分けても、ご飯より炭水化物の割合が少なくなります。
速い話が「水増し」です。
| 食品 | エネルギー | 水分 |
|---|---|---|
| ご飯(精白米) | 156 kcal | 60.0 g |
| 普通春雨(ゆで) | 76 kcal | 80.0 g |
| おかゆ(精白米・全がゆ) | 65 kcal | 83.0 g |
同じような水分量で考えてみましょう。(80gと83g)
ゆでた春雨は76〜78 kcal、全がゆは65 kcalです。あまり変わりませんね。

ちなみに「全がゆ」とは米の5倍の量の水で炊いた、粒感がしっかり残るおかゆのことです。
水分を多く含むことで、同じ重さ当たりのカロリーが低くなる仕組みになっているのです。
水を吸っても、元のカロリーが消えるわけではない

乾燥状態と調理後の数値に注目してみましょう。
緑豆春雨のエネルギーは、乾燥状態では100g当たり344 kcal、ゆでると100g当たり78 kcalになります。
この数字だけを見ると、ゆでることでカロリーが大幅に減ったように感じるかもしれません。
しかし、乾燥春雨100gと、ゆでた春雨100gは、元の春雨の量が違います。
乾燥春雨100gをゆでると、水を吸って約4倍になるため、400gになります。
ゆでた春雨100gは乾燥春雨に換算すると約25gになります。
そして、でんぷんのゆで汁への成分の流出などはありますが、水を吸うこと自体で、元のでんぷんやカロリーが消えるわけではありません。
おかゆも、水を多く加えただけで、使ったお米のカロリーがなくなるわけではないですよね。
春雨も同じように考えると理解しやすいと思います。
「ゆで春雨はご飯よりも低カロリー」は誤解を招く
春雨が「水増し」によりカロリー低く見えるだけ。乾燥状態では変わらない
春雨としらたきは、どちらが低カロリー?

春雨と混同しやすいのが、しらたきです。
どちらも細く、白っぽい半透明の見た目ですが、原料も栄養成分も異なります。
| 比較項目 | 春雨 | しらたき |
|---|---|---|
| 主な原料 | 緑豆・じゃがいも・さつまいもなどのでんぷん | こんにゃくいも由来の原料 |
| 炭水化物の特徴 | 消化吸収できる「でんぷん」が主体 | 消化吸収できない「食物繊維(グルコマンナン)」が主体 |
| 水分 | ゆでた状態で約8割 | 約97% |
| 100g当たりのエネルギー | ゆでた状態で76〜78 kcal | 7 kcal |
しらたきは、細いひも状に固めたこんにゃくです。
100g中の水分は96.5g。炭水化物は3.0g含まれていますが、そのうち2.9gが食物繊維です。
水分が非常に多いことに加えて、春雨のように、でんぷんを主体とする食品ではありません。
消化吸収できない「食物繊維(グルコマンナン)」が主体となっています。
そのため、同じ100gを比べたときのカロリーには、約10倍の差があります。
春雨としらたきはカロリーを見ると、雲泥の差があるのです。
関口アキラどうでもいいですけど「春雨」と「白滝」って食品の名前としてかっこよすぎません?


それでも春雨がダイエットに向いている理由
さんざん上記で「水増しされているだけで、米とカロリー変わらないじゃん」と言いましたが、それでも春雨がお米よりダイエットに適している理由もあります。
① 同じ重さを食べても、摂取カロリーを減らせる
例えば、調理後150gでそろえると次のようになります。
| 食品 | 150g当たりのエネルギー |
|---|---|
| ご飯 | 234 kcal |
| ゆでたパスタ | 225 kcal |
| ゆでた緑豆春雨 | 117 kcal |
ご飯150gを、ゆでた緑豆春雨150gに置き換えれば、計算上は約117 kcal減らせます。
これは水分による違いでも、実際に食べるカロリーが減ることには変わりありません。
ただし、同じ重さで同じ満腹感になるとは限りません。
しかし、水分の多い食品を活用する考え方にも研究の裏づけがあります。
肥満の女性97人を対象にした1年間の試験では、脂質を減らす指導に加えて、エネルギー密度(kcal/g)の低い食品(水分の多い野菜や果物)を増やした群で、空腹感が少なく、減量も大きくなりました。PubMed
春雨そのものの試験ではありませんが、食事のエネルギー密度(kcal/g)を下げる方法を支持する結果です。
重いのにカロリーが低い、つまり水増しされたカロリーの可能性を提示しているのです。
② 好きな麺料理として、続けやすい


これは実用面での利点です。おかゆやしらたきが好みに合わなくても、春雨の食感なら満足できる人には、置き換える理由があります。
例えば、春雨に野菜・きのこ・卵や鶏肉を合わせたスープにすれば、春雨の量を調節しながら、一皿の料理にまとめられます。油や調味料まで含めて、元の食事よりカロリーが低くなる組み立てがポイントです。
③ 緑豆春雨には、食後血糖の上がり方が穏やかだった研究もある
健康な成人10人の試験では、利用可能な炭水化物を同じ50gにそろえて食べたところ、緑豆春雨は、実験した玄米、タロイモ、ハトムギ、ヤムイモの中でいちばん血糖・インスリン応答が小さくなりました。PubMed
緑豆春雨のGI値は約32〜35程度(資料によっては約20前後)で、低GI食品に分類されます。
白米(約84)や食パン(約75)と比べて血糖値が上がりにくい特徴があります。
しかし、普通春雨(主にじゃがいも由来)のGI値は約50〜68程度と、緑豆春雨に比べて高めになります。
出典:シドニー大学「GI Search」
春雨の、水増しされたカロリーが満足感を与える可能性アリ
GI値を気にするならば「普通春雨」より「緑豆春雨」を購入しましょう。
韓国春雨との違い


韓国でもチャプチェに代表されるように春雨は食べられています。
が、日本や中国のものと多少異なります。特徴的なのは色と食感でしょうか。
食感はもちもちとして、強い弾力があります。また、日本の春雨より太めです。
原料はサツマイモデンプンです。そのため、やや灰色がかった色になっています。茹でると半透明になります。
こちらもカロリーなどはほとんど変わりません。



個人的には食感好きなので見かけたら買います。
まとめ
ゆでた春雨は、ご飯やパスタと同じ重さで比べると、カロリーがおよそ半分です。
これは、春雨が水を吸い、約8割を水分が占めることが大きく関係しています。
お米をたっぷりの水で炊くおかゆとおなじです。
水分が増えれば100g当たりのカロリーは下がりますが、元の食材のカロリーが消えるわけではありません。
また、見た目が似ているしらたきは、水分がさらに多く、含まれる炭水化物も大部分が食物繊維。
春雨とは栄養的に異なる食品です。
春雨は、カロリーがほとんどない食品ではなく、水分を多く含むでんぷんの麺。
そう捉えると、「ご飯より低カロリー」と「食べる量によってはカロリーが増える」が、無理なくつながるのではないでしょうか。










